運送会社といえばブラックな環境
家に帰れない
寝れない
薄給
手積み手下ろし
大体こんなイメージがあると思います。
30年前ならば佐川100万円と言われるくらいに、働けばそれだけお金がもらえるという環境でした。
もちろん当時の働き方はディープブラック100万円稼ぐには本当に寝る時間もないし身体が壊れるくらいの手積みをやっていたとも聞きます。
そして、2004年 小泉政権時に規制なき構造改革で運送業も緩和される
多くの新規運送会社が乱立し、恐ろしいほどの値下げ競争に・・・・・ダンピング
最近の運送会社2極化しています
トラックの台数を増やしていき、全国に支店を持つような運送会社
と
価格競争に巻き込まれジリ貧でやっている運送会社
ここ10年で台数を200台
ここ10年でプラス100億円の売り上げ
そう言った会社、いわゆるイケイケな会社が最近目立ってきています。
なぜ?どうやって急成長しているのか?ここを考えなければなりません。
言ってみれば今のブラックだと言われる構造を作ったのは大手の運送会社とも言えるのです。
急成長の理由
運賃の値下げ
荷主が運送会社を選ぶ時、何を見るか?
一番は運賃です。運賃が安いところを選ぼうとします。
普通の人もそうだと思います。
スーパーに行って国産の豚肉が490円、アメリカの豚肉が390円。
だいたい売れ残っているのは高い方です。
他が嫌がる仕事を喜んで引き受ける
他の運送会社が嫌がる仕事。
よく言われるのが手積み手下ろしです。
パレットで積むか?
手積みでより多くの荷物を積むか?
荷主からすればより多くの商品を運んだ方がコストは下がります。
問題は、手積み手下ろしの作業を全てドライバーひとりに丸投げしている現状にあります。
1週間家に帰れないのは普通
長距離ドライバーになれば、1週間家に帰れない。関東、東北、回って関西みたいな感じです。
常にパーキングエリアかコンビニのご飯
寝床はトラックの狭い寝台スペース。
シャワーはサービスエリア。
やっと家に帰ってきたと思ったら、洗濯して寝たらまた1週間の運行。
こんな生活をしていたら身体に良くないのは誰でも想像がつくと思います。
ドライバーの使い捨て
自前の物流倉庫
最近至る所で物流倉庫を作っているのを見ることになります。
郊外ばかりでなく、中心部にも巨大な倉庫を作り始めている。
なぜそこまで倉庫を作っているのか?
自社で荷物を保管すれば、在庫をそのまま積んで配送できるようになります。
保管料ももらえるし、待機時間も縮小できる。
さらにDX化で今までの倉庫とは人の流れが全く違う倉庫になっています。
倒産寸前の運送会社を買収
価格競争についていけずに廃業しようとしている会社を買い取り、名前を自社の名前のトラックにして走らせる。
ドライバーはそのまま。
建物もそのまま。
違うのはトラックに書いてある会社名だけ。
IT DXの導入
いち早くIT化を進めた運送会社は大きくなっています。
この運送業界は未だに電話、紙、ペン、エクセルワードくらいで仕事をしているところがほとんどです。
多重下請け構造・水屋
急成長の裏
運送会社の急成長の裏には、ドライバーが疲弊してきた歴史があります。
どんな業態でもそうですが、急成長中はあらゆることが起こります
・連携が取れない
・ルールが行き届かない
・コミュニケーション不足
・オーバーワーク
・パワハラ体質
・無謀な管理業務
・事故
・人の出入り
それでも荷主側からすれば、融通が利くのでどんどん仕事は舞い込んでくる。
仕事が増える==>トラックを増やす==>ドライバーを増やす==>売り上げは上がり続ける
いつしかそのやり方が業界の当たり前になってしまう。
常識や当たり前ほど怖いものはありません。
ブラックな環境が蔓延し、それが当たり前になれば、それに合わすしかない。合わさなければ廃業していき、新規参入者はブラックが当たり前な状態が普通という認識でスタートする
波に乗っている状態なので経営側もドンドン仕事を取っていきます。
しかし、そんな状況を作り出してしまった運送業界・物流業界。
実際に荷物を運ぶドライバーが疲弊し、事故が多発し社会問題になっていく
そして2024年法改正
なぜ法改正するのか?しなければいけないのか?
と思うかもしれませんが、法改正しなければならないくらいに業界自体が深刻なブラック構造になってしまったのが原因になります。