日本の教育と社会
Focus
学校ではみんな平等だから足並みに揃えてと教え
企業に入れば、他者を蹴落として、利益を最優先にするのだ。
何がなんでも他社に勝つ。それが正義だ。
俺は悪くない。
俺が教えるのは、社会で勝つ方法じゃない。
教科書に書いてあることだけだ。
俺は悪くない。
悪いのは教育委員会だ。
俺は悪くない。
悪いのは、今までの習慣だ。
俺は悪くない。
悪いのは、親の教育が悪いからだ。
何でもかんでも教師のせいにしやがって。
くそっ盗撮でもするか。
セクハラでもするか。
後輩でもいじめるか。
俺は悪くない。
俺は悪くない。
・・・・・・
episode π
俺は子供が好きだった。
だから教師になったんだ。
しがらみや習慣なんて関係ない。
大事なのは、子供の気持ちに寄り添うことだ。
上司やPTAや親よりも俺は親身に生徒に接するつもりだ。
俺が壊してやりますよ。今までの習慣を。
なんてったってGTO読んでますから。
数年後、彼はどうなったことでしょう。
大人しく、窓際にいていつも下を見ている教師がいました。
そうです。
あの威勢のよかった彼です。
何があったのか?
彼は話そうとしません。
話そうとしないというよりか話せない。
彼の精神はすでに崩壊した。
同僚、PTA、教育委員会、生徒、親
自分がしたかったことは、生徒を第一に考えること。
子供たちに、未来を想像させること。
徹底的に怯えている。
徹底的に支配されている。
集団の中で彼は戦ったはずだ。
それだけの若さと勇気と理想があったから。
それを潰してしまうのが、今の閉塞した狭い教育という世界です。
しがらみと権力と膨大な雑用。
そんな彼を見て周りの教師はこう言うでしょう。
俺は悪くない。
現在、日本の教師は年間5000人以上が精神疾患で休職しています。