軽自動車を黒ナンバー化することができる法案
国土交通省はことし10月に、フードデリバリーなどの運送事業の手段として、乗用車タイプの軽自動車の使用を解禁する方針だ。これまで商用車タイプに限っていたが、デリバリーサービスの需要が急拡大していることなどを受け、手段の幅を広げて事業者の経営安定化や新規参入を促すことにした。軽乗用車に積める荷物の重さは、乗車定員から乗車人数を引いた数に55キログラムを乗じた重さを上限とする。
最大積載重量165キロ
早ければ10月から
Uberも出前館もアマフレも
黄ナンバーの軽で宅配可能なのか
こりゃいいな。でも争奪戦が激化するだろなぁ…専業ドライバーに迫る危機! 軽乗用車「運送業解禁」で、子育て主婦がライバルになる時代到来か | Merkmal https://t.co/Ib0K6N7qUF
— 蟹 (@kanitan) September 1, 2022
6月に閣議決定され10月に解禁・・・・・・????
何も決めれられないのが特徴のこの国だが、やけに早い施行。裏で何かあるのかな?
さて、黒ナンバーで活動されている個人事業主の人からすると、参入者が増えて稼げなくなるのではないか?
そんなことを予想する記事が結構出ていました。
しかし、本当にそうなのだろうか?実際に稼働している立場からどんなリスクがあるのか深掘りしたいと思います。
先に結論
軽自動車を安易に黒ナンバー化することはオススメしない。
他の記事で子育て中の主婦やフリーターが参入すると書いてありましたが、安易に黒ナンバー化すると大変なことになると思っています。
理由
主なTOPIC
・アマゾンフレックスはできない
・フードデリバリー の需要はMAX
・自動車任意保険料
・ガソリン
・路肩駐車・駐禁
・腰を痛める
・売上20万円で確定申告
・アマゾンフレックスはできない
アマゾンフレックス。残念ながら今の段階では軽自動車ではできません。
アマゾンフレックスをやるには、車両 荷台の広さの条件があります。
荷室長、荷室高、荷室幅の合計が4,000mm以上
最大積載量350kgの積載量を持つ貨物軽⾃動⾞
軽自動車の場合、、最大積載量が165キロなので登録できません。
そうなると、メインになるのはフードデリバリー と言うことになると思いますが・・・・・・・・
・フードデリバリー の需要はMAX
フードデリバリー (UBERや出前館)、今の需要がこれ以上極端に伸びるようには思えません。
平日なんかでは、ほとんどが1回300円になっています。
5キロ走っても500円とかです。
つまり、ドライバーの需要過多。
仮に軽自動車で1回300円の配達を5回やっても1500円です。5回やるのにだいたい2時間くらいかかります。オファーがない場合はさらに低い数字。
全く割りに合わないことでしょう。
私はだいたいフードデリバリー の場合、1キロ100円という数字になっています。
片道1.5キロで300円
しかし、フードデリバリー の場合、配達先の近くにお店があればいいですが、だいたいの場合、配達先からまたお店があるエリアに戻らなければ鳴りません。
つまり、往復の距離がかかるため1キロ100円になってしまいます。
アマゾンフレックス の場合は、1キロ180円〜300円ほど。
軽自動車の黒ナンバー化でさらに、フードデリバリー ドライバーは増えると思われます。
そうするとさらに稼げなくなる。
稼げるとしたら、雨の日か日曜日か真冬、真夏くらいになります。
・自動車任意保険料
自動車任意保険は、めちゃくちゃ高くなります。
黒ナンバーの自動車保険を扱っている保険会社は多くありません。
1年目はどこも月15000円ほどです。(車両保険なしで)
2年目で月10000円
3年目で月9000円ほど
もちろん、事故で保険を使えばより高くなります。
1ヶ月15000円 × 12ヶ月
年間18万円の保険料 車両保険なし
普通の軽自動車の場合、年間30000円(車両保険なし)
およそ15万円の差です。
この15万円を黒ナンバー化することで稼ぎ出さなければいけません
1回の配達を350円としても15万円を稼ぐには・・・・・428回の配達をしなければいけません
1日に5回配達しても85日かかります。
・ガソリン
ガソリンは、今の時点で160円ほど。
ウクライナ問題は長期化されそうなので、まだまだガソリンの値段は下がりそうにありません。
黒ナンバーにとって、一番の経費がガソリンです。
・路肩駐車・駐禁・事故
黒ナンバー化することで、事故の可能性は高くなります。
街で走っている黒ナンバーの車両を見てください。
ほとんどの車が凹んでいます
特に後ろ
交通量の多い場所や細い入り組んだ道で、安全に停車させるのは結構難しいです。
フードデリバリー の場合、8割型はマンションアパートへの配達になります。
このマンションへの配達、タワマンや大型のマンションの場合、かなり時間がかかることもあります。駐禁のリスクも考えておかなければいけません。
・腰を痛める
フードデリバリー の場合、ほとんどの時間運転席にいます。
立つのは、商品を受け取る時と商品を渡す時だけ。
この長時間の運転、長時間座席に座る。
かなり腰に負担がかかります。
それは軽貨物も同じですが、軽貨物は働く車を前提にして作られています。
軽貨物の座席はシートが硬くサスペンションは荷物を多く載せても沈まないように硬くなっています。
なんでシートが硬いのか言うと、乗り降りしたときに腰に負担をかけないようにするため。
これが軽乗用車のような乗り心地を優先する車の場合、長時間の運転はかなり身体に負担がかかります。
・売上20万円以上で確定申告
片手間でお小遣い稼ぎにやろうとしている人もいるかもしれませんが、黒ナンバーは事業ナンバーです。
事業ナンバー = 利益を計上すること
フードデリバリー の場合、実際のところ20万円以上稼いでも確定申告していない人は多くいると思います。
ですが黒ナンバーにすることで税務署に目をつけられる可能性は上がります。
事業ナンバー(黒ナンバー)を取得している
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確定申告していない
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フードデリバリー会社に報酬情報を開示請求
===>
20万円以上の報酬を受け取っている
===>
追徴課税
自転車で稼働している人間、全員を調査するのは数が多すぎて時間がかかりますが、黒ナンバーで稼働している人で検索すれば数が少ない分すぐにわかる。
なんでこんなすぐに施行されるのか?
6月に閣議決定されて10月に施行です。
多分、現場は情報が整理できずに混乱することでしょう。
そこで深掘りしてみました。裏で誰かが忙しているんではないだろうか?
この法案が施行されることで儲かる会社は??????
まずは労働力を得られる
フードデリバリー 各社
フードデリバリー にとって配達員は要です。
配達員がいなければ稼ぐことはできない。
平日や天気のいい日、春、秋なんかは良い。
自転車バイクのドライバーが多く稼働して需要を保てる。
しかし、問題なのが雨 真夏 真冬
特に雨の日は一気に稼働する人がいなくなる。
逆に注文は多くなるが、ドライバーがいないため、稼ぐことができない。
真冬の寒い日や雪が積もっている場合も同じで、自転車やバイクでの稼働は厳しい。
そこで、そんな時のために今回の法案をゴリ押ししたと思います。
軽自動車を黒ナンバーで稼働できるように。
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そうすれば雨や雪 豪雪地帯でも注文を受けることができる。
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注文を受ければ利益が生まれる。
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利益が出ればUBER 出前館 出資会社が儲かる
だがUBERや出前館がゴリ押ししてもこんなに早くは施行されないでしょう。むしろドライバーの悪質な運転や事故でいいイメージを持っていないと思います。
じゃあ誰?
出前館の株式40%をZホールディングスグループが保有しています。
Zホールディングス == LINE YAHOO PAYPAY ASKUL
出前館の現社長はLINEの元社長
Zホールディングスの親会社はソフトバンクグループ
ソフトバンクグループ はUBERの筆頭株主であった。(現在は全株式を売却)
このスピード施行に少なからず関わっていたのではないかと思います。
安易に手を出すと大変なことになる?
現段階で軽自動車で黒ナンバーにしても、できる仕事は限られています。
フードデリバリー だけでは正直、稼ぐことはできないことでしょう。
むしろ事故や故障、当て逃げ、駐禁なんかのリスクの方が大きいと思われます。
前述も書いたように
1回の配達を350円としても15万円を稼ぐには・・・・・428回の配達をしなければいけません
1日に5回配達しても85日かかります。
自動車保険代を稼ぐだけでも大変です。プラス、ガソリン、エンジンオイル、スタッドレス、車検
儲かるのは、天候が悪い時に人手を得たUber 出前館
自動車保険の保険会社
利益が上がり儲けを還元してもらう出資者 Zホールディングス